恋愛ばかりが問題じゃない
一昔前だと、流行りの歌はすべてみな、恋愛を歌っておりました。
私はそれが不満でした。だっていつも恋愛しているわけじゃないじゃないですか。今努力して頑張って何かを成し遂げよう、とか世の中すべてが憎い!と心がダークサイド(笑)に落ちたりしているときにそれに共感できるような曲があまりなかったのです。
Youtubeやニコニコ動画などが一般的でない時代ですね。
それ以外の歌もなくはなかったのですが、アルバムの中の数曲だったりしてヒットチャートに乗ってくることは稀です。米米クラブのアルバムを貸してもらった時はめちゃくちゃ驚愕したものです(ハトコ、体がホテル、ホテルの~…ですから)
また、アニメの主題歌なども、明らかに作品に合わない世界観の曲が平気で使われておりました。また、メジャーな歌手はどうしても主題歌は引き受けてくれないでちょっとマイナーな人が仕方なく歌う、みたいな雰囲気がありました。例外はB'zやTMRくらいでしたでしょうか。B'zは地獄先生ぬーべーのEDに「ミエナイチカラ」という風にきちんと世界観に合った曲を書いてくれましたし、TMRも「Heart of sword」という曲を提供しています(剣心の英訳ですね)
今のオリコンチャートなどを見てみると、かなりアニメ主題歌や関連曲(キャラが歌っているという設定の曲が多いです)が食い込んでいます。主題歌もきちんとその作品の世界観に合わせて作られているものばかりです。Youtubeやニコニコ動画などに投稿されるアマチュアの投稿者の歌なども、恋愛に絡む歌もありますがそれ以外のテーマも非常に多彩です。
こういうところにも時代は変わったなあ…と思っています。個人的な推測ですが、おそらく昔は歌を売るためには恋愛というテーマが一番普遍的で共感されやすいからそれ以外のテーマで発表することも難しかったんでしょうね。今は技術の発達で気軽に歌も動画も(本人が歌えなくてもボカロがありますから)発表できる時代になりました。『今の気分は恋愛じゃないんだよね…』という少数派の感覚が気軽に発信できるようになり、そしてそれに共感する人間がすぐ集まる、そういう環境になっている証拠でしょう。
共感する人間が多い、という意味では人の悩みもやはり、恋愛(からの結婚)が多いです。
ついつい分かりやすくて共感しやすいがために、恋愛の悩みを恋愛で答えようとしてしまいがちですが、問題の原因は別のところにあったりします。幼少期のしつけがもとでパートナー選びの時の価値観が狂っている、なんて場合ですね。例をあげるときりがないのですが、恋愛面でのトラブルでありながらも恋愛問題を単純に解決するだけでは済まない根の深い原因があることの方が圧倒的に多いです。男運が悪い自分…と思っていても実は自分の方が無意識にそういう男性を引き寄せていた、なんて事になっていたりするのです。
あえて恋愛カテゴリとして記事を上げさせてはいただくのですが、分かりやすくて普遍的な恋愛と、あなた自身の問題が同じである事はむしろ稀です。男運が悪いからといって他人に選んでもらった男性とお見合い結婚したとしても、自分の心の空白は埋まらないのです。まず問題のある男を引き寄せる自分をなんとかしなくてはなりません。